九蔵の楽しみ方

岐阜九蔵の酒蔵見学 vol.2〜蒲酒造場編〜

酒蔵見学2日目は、飛騨古川にある「蒲酒造場」さんを訪ねました。
“飛騨高山の奥座敷”と呼ばれる飛騨古川。
城下町らしい碁盤のような町割りに、出格子の商家や白壁の土蔵が軒を連ねる古い街並み……情緒あふれる風景を眺めながら酒蔵へ向かいます。

06_01▲鯉が泳ぐ瀬戸川沿いにある白壁土蔵の酒蔵。なんと国の登録有形文化財です。


蒲酒造場の創業は1704年。江戸中期から300年以上の伝統を誇る酒蔵と聞くと、頑固一徹なイメージを抱きがちですが、取材にこたえてくださった蒲敦子さんはとても柔軟でフランクな人柄。
「日本酒って、楽しみ方はひとつじゃないと思うんです。よく、“吟醸酒にお燗をつけるのはNG”と言われますけど、そういった決まりごとにとわられず、いろいろ試して楽しんでほしい。季節に合わせて飲み方を変えたり、柑橘類を搾って飲んでみたり。岐阜九蔵は純米から吟醸酒まで味のバリエーションが幅広いから、飲み比べを楽しむにはぴったりですよね」と話します。


06_2 ▲20年以上杜氏を務める藤井藤雄さん、専務の蒲敦子さんと一緒に。


そんな蒲酒造場さんを代表する銘柄が『白真弓』。飛騨地方で栽培されている酒造米「ひだほまれ」を使い、飛騨の風土に合わせた味わいを大切に造られています。
岐阜九蔵の『白真弓 純米』は、お米のふくよかなコクと深みのある旨みをたたえながら、後味はすっきり。
蓮沼さんも「朴葉味噌など、味のしっかりした飛騨の料理が恋しくなる味。地元の人が毎日の晩酌で飲むような、生活に根付いた日本酒なんですね」と納得の様子です。


06_03 ▲創業300年を記念して復活させた、蔵唯一の木桶で仕込む日本酒もあります。


地元で愛され続けるために、なによりも大切にしているのが「変わらない味を届けること」と蒲さん。
それを支えているのが杜氏・藤井さんの腕です。数多くの優れた杜氏を輩出している新潟・寺泊町の出身で、この道50年以上の職人。
その年ごとに異なるお米の出来や気候を見極め、精米や吸水具合を微調整しながら、追い求める酒質を形にしていきます。
まさに長年で培った技術と経験、そして勘があってこそ安定した味を保てるのです。

06_04 ▲酒蔵を見学した後、搾りたての新酒を試飲させていただきました。香り豊かで清々しい味わいに感激…!


こうして2日間の酒蔵見学を終え、蓮沼さんに感想を伺いました。
「まず印象的だったのが、蔵元や杜氏のみなさんが酒造りに対してとても謙虚だということ。お米も麹も自然のもの。日本酒は自然の力で育まれるものであり、人はその手助けをする…という姿勢が息づいているからなんですね。地元の人に愛され、応援されて自慢のお酒を造る。それを全国に出荷して、いろいろな人に楽しんでもらう。そんな酒造りは、まるで甲子園みたい(笑)。実際に酒蔵まで足を運ぶ機会は少ないですが、その土地土地の風土や文化に想いを馳せながら飲む一杯は、さらに格別なものになると思います。あらためて、“日本酒っていいな!”と思えた楽しい酒蔵めぐりでした」。

蒲酒造場の蒲さん、藤井さん、ありがとうございました!

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